人気のダウンジャケットやダウンコートですが、保管や日々の収納方法を間違えてしまうとカビや変色などのトラブルが起きやすいアイテムでもあります。どうすればトラブルを避けることが出来るのか?クリーニングのプロが解説していきます。
ダウンアイテムの特徴

ダウンアイテムとは、生地と生地の間に水鳥の羽を含むように作られたアウターなどの衣類商品のことです。
ダウンアイテムに使用される水鳥の羽(羽毛)は、主にグース(ガチョウ)とダック(アヒル)の羽があります。もともと水鳥自身が寒さから身を守るために生えている羽毛ですので暖かさを保つことに優れています。寒暖差の激しい地域で採れるダウン程、良質であると言われています。
ダウンの暖かさは、充填されるダウンがどれだけたくさんの空気を含んでいるかということにより異なります。良いダウンは、しっかりとあたたかな空気をダウンパック内に保つことが可能です。
この暖かな空気を保つことが可能な状態を長く保つためにダウンのボリュームは大切です。
ダウンの効果を半減させるのが水濡れや湿気によるダウンのボリュームダウンによるものです。汗などでも湿気の原因となるため、こまめなメンテナンスと最適な収納と保管方法を知っておくことが重要です。
ダウンアイテムの衣替え

衣替えで仕舞う時の3つのポイント
衣替えで仕舞う時のポイントは3つ!
- しっかりとキレイな状態にしてから仕舞う。
- しっかりと乾燥させてから仕舞う。
- 密閉してしまわないようにする。
①のしっかりとキレイな状態にしてから仕舞う。は、生地表面はもちろんのこと、中綿のダウンに残った汚れ・皮脂・汗などをしっかりと落としておくことが大切です。中綿のダウンに汚れが残っていると、カビや変色、ダウンのボリュームダウンの原因となります。ダウン専用の洗濯洗剤等を使用し家庭で洗濯を行うか、クリーニングに依頼するようにしましょう。
②のしっかりと乾燥させてから仕舞う。は、ダウンが苦手な湿気。湿気を残したまま衣替えで仕舞ってしまうと臭い・虫食いなどの原因となってしまいます。
③密閉してしまわないようにする。は、衣替えで仕舞っているときでも時折空気の入れ替えが必要です。密閉してしまうことで、庫内の温度湿度が変化し変色やカビなどの原因となることがあります。
衣替えなど長期保管を行う際は、必ずキレイな状態で通気性の良い容器に入れて保管をするようにしましょう。
衣替えで出す時の3つポイント
寒くなり、ダウンアイテムを着用しようと衣替えで出してくるときのポイントも3つ。
- お天気の良い日に出しましょう。
- 風通しの良いところで干しましょう。
- ボリュームを出すために軽く叩きましょう。
①ダウンが嫌う湿気の少ないお天気の良い日に出してくるようにしましょう。雨の日など湿気が多い日に衣替えで出してきてしまうと湿気を吸ってしまい、ボリュームが少ない状態になってしまうことがあります。
②風通しの良いところで、ハンガーなどにかけてダウンが持っている湿気を抜きます。
③畳んだ状態などで箱に収納していたため、ダウンのボリュームが減っていることが多いため、ダウンとダウンの羽毛の間に空気を含ませることをイメージして軽くダウンを叩きボリュームを復元しましょう。
②③は乾燥機を利用して行うことも可能です。
乾燥機を使用して湿気を抜き、ボリュームアップさせる方法
- ダウンのファスナーやボタンはしっかりと閉めましょう。
- 乾燥機は10分間の乾燥を3回ほどに分けて行う。
- 乾燥機を回す際にドライヤーボールを使用しボリュームを出す。
ファスナーやボタンを閉めておくことで生地にキズや破れが起こりにくくなります。必ず閉めるようにしましょう。
ドライヤーボールを使用することによって、たたく効果があります。そのためダウンの偏りをなくしボリュームを復元することが可能です。
ドライヤーボールがない場合は、テニスボールや靴下を丸めた靴下ボールなどで代用も可能です。
ダウンアイテムの保管と収納

日々の収納
日々の着用後の収納も大切なダウンアイテムですが、皆様はどのように収納してますか?帰宅後すぐにクローゼットに収納してしまったりしていませんか?
日々の収納にもポイントがあり、きちんと収納しておくことでワンシーズントラブルなく着用することができます。
- まず帰宅したら、表面の埃や汚れを衣類用のブラシでブラッシングして落としましょう。
⇒表面をキレイにしておくことでシミの浮き出しなどのトラブルを防ぎます。
- 風通しの良いところに干しましょう。
⇒冬場寒い時に着用しているから、汗などかかないと思われる方も多いですが、暖房の効いた店内などに居ることもあり汗がダウンにこもってしまっていることがあります。着用後は、ハンガーにかけて風通しの良いとことでしっかりと乾燥させておくことで、ボリュームダウンを防ぎます。
- 電気の光や直射日光の当たる場所への収納は控える
⇒電気の光や直射日光による変色を防ぐため、直接光の当たる場所に収納せずに扉のあるクローゼットへ収納するか、遮光効果があり通気性の良いカバーをして収納するようにしましょう。
毎日着用することが多いのでシーズン中は玄関にずっとかけてあるという方も多いですが、着用後は必ずブラッシングをして乾燥をさせてあげることで、汚れやボリュームダウンを防ぐことが出来ます。
自宅での衣替え後の長期保管等
着用シーズン後、衣替えなどで自宅に長期保管する際は、必ず綺麗な状態にクリーニングなどメンテナンスをしてから保管することが大切です。
誤った保管場所と保管方法を行ってしまうといざ着用しようとしたときに着用できず困ってしまうことがありますので保管場所と保管方法しっかりと確認しましょう。
- 保管場所は、湿気が少なく直射日光や電気の光が当たらない場所を選びましょう。
⇒湿気はカビの原因、光に含まれる紫外線は生地を変色させる原因となります。
- 密閉容器に仕舞わずに通気性の良い収納箱等を利用するようにしましょう。
⇒長期間密閉状態が続くとダウンが含む油分などにより、生地の変色やカビ・虫食いの原因となることがあります。不織布を使用した収納箱などを利用して収納することをお勧めします。
- 圧縮袋を使用することはお勧めしません。
⇒コンパクトに収納するために圧縮して真空の状態で保管される方も多いかと思われますが、ダウンアイテムの長期保管では圧縮は不向きです。ダウンの空気を抜いてしまうことにより、着用時にダウンのボリュームが戻らないなどのトラブルが起こることがあります。
長期収納をする際は、生地やダウンが清潔な状態で光や湿気から守ることで、着用シーズンが来てすぐに着用することが出来ます。
収納アイテム
長期保管に適した、収納アイテムをいくつかご紹介します。
●ポリエステル綿麻混 ソフトボックス (無印良品)
ポリエステル綿麻混・ソフトボックス
引用元:無印良品
ポリエステル綿麻混 ソフトボックス フタ式 L
1290円(税込)
生地の内面をコーティングしたコンパクトにたためる布製ボックスです。整理しにくい小物やおもちゃなどをまとめて収納するのに便利です。フタ付なのでほこりを嫌うものを収納するのに便利です。
●コットンワイド収納ボックス( 3COINS(スリーコインズ) )
コットンワイド収納ボックス
引用元:3COINS(スリーコインズ)
【コットン収納シリーズ】コットンワイド収納ボックス
550円(税込)
取っ手付きでたっぷり入るワイドサイズの収納BOXです!
カラーボックスにも対応したサイズです。
落ち着いたくすみカラーがお部屋の様々なテイストになじみやすいです♪
衣類収納バッグ ガバット(ニトリ)
衣類収納バッグ ガバット
引用元:ニトリ
814円(税込)
●がばっとひらいて出し入れ簡単
●全面が開くから収納物を取り出しやすい
●全面と天面をいっぺんに開けるから入れやすい!
●通気性が良いためカビがつきにくく、保存用に便利です。
●収納物がわかる透明窓付きです。
●押入れやクローゼットへの出し入れには便利な持ち手付きです。
●防虫剤などが入れられるポケットが2ヵ所付いています。
BOX以外にも衣類用の不織布ハンガーカバー等を使用し、クローゼットへ吊り保管をすることも可能です。
ダウンアイテムの保管サービス
自宅でのダウンアイテムの長期保管はいろいろと大変でめんどくさい!保管するにも自宅に保管スペースがない!という方には、保管サービスが便利です。
保管サービスはたくさんありますが、衣替え時にとても役立つのがクリーニング会社の保管サービスです。
クリーニング会社の保管サービスは、ただ保管するだけではなくクリーニングしてから保管してくれるので着なくなったダウンアイテムをクリーニングに出すだけ。次のシーズンまで保管してくれます。
キレイナの保管サービス

キレイナでも保管サービスを行っています。
通常のクリーニング依頼に保管オプションを追加し、次のシーズンの受け取りたい希望日を入力して依頼するだけ。
保管希望の他の商品も一緒に箱に入れて、キレイナに送るとキレイにクリーニングをして受け取りまで湿度・温度の管理された保管スペースで保管をします。
配送前に再度、シミや汚れがないかのチェックを行い、仕上げを行ってからお届けします。もしも発送前にシミや汚れが見つかった場合もきちんとシミ処理をして手元に届いたら、すぐに着用できる状態にしてからお届けしています。
キレイナクオリティーの仕上がりでのお届けですので、安心してお預けいただけます。
まとめ
ダウンアイテムの保管や収納は、ポイントを押さえれば難しいことではありません。でも、湿度や光等気にしないといけないことも多くあるので、自宅での保管は面倒だと感じる方も多いです。
ダウンアイテムの保管での懸念点は、かさばることというお声も多いです。
自宅でダウンアイテムの長期保管が面倒だと感じられた場合は、思いきってクリーニング会社の保管サービスを利用されることをお勧めします。
この他、衣替えについての記事も参考にしてみてください。
バルトロライトジャケットのクリーニングと保管について|キレイナマガジン(kileina.jp)
プロが教える!衣替えの時の正しい干し方と乾燥方法|キレイナマガジン(kileina.jp)
プロが教える洋服の虫食いの原因や衣替え時の効果的な対策|キレイナマガジン(kilina.jp)

