ダウンのシーズン中に汚れてしまってどうしてもご自身でお洗濯をしないといけなくなった。そんな方に上手な脱水と乾燥機のやり方をお教えします!
ダウンの乾燥や脱水におけるトラブル例
ダウンの洗い時はきちんとした知識や技術を持って行えばトラブルになるという事はほとんどありません。
ですが、洗う際にダウンの破れに気づかずに洗濯機で回してしまい破れが悪化し中綿が出たという例があります。洗う時は破れやひっかき傷などがないか必ず確認してから洗うようにしてください。
また、多いトラブルが脱水時や乾燥時です。
【際つき(キワツキ)】という現象が起きることがあります。【際つき】とは、キルティングの縫い目の部分を沿って濡れたようなシミが出来ることをいいます。
ダウンは中綿を含んでいるという特徴から通気性を抑えるために、生地の密度が高くコーティング加工されている商品もあります。このような場合は脱水や乾燥がし難いという弱点があります。水分や溶剤が縫い目に集中し取り残された状態になるとシミになります。
ダウンの脱水が上手にできないと臭い
脱水を上手にできないと水分が長時間残る事になります。乾燥機を使っても使わなくても乾燥するまでに時間が掛かってしまうと雑菌が繁殖し匂いの原因になります。
また、ダウンの傷みの原因にもなるので脱水はしっかりとするようにしましょう。
ダウンは乾燥機で偏りや縮む事がある
ダウンは乾燥機の遠心力で水分を絞り出しています。
圧力をかけているので中綿が偏っている状態です。脱水後はダウンの中綿をまんべんなくしてから乾燥機にかけるようにしてください。そのままだと偏ったまま乾燥される可能性があり、そうなりますと着心地が悪くなります。
またダウンは熱に弱い素材で作られているものがほとんどです。高温で乾燥機にかけると表面の素材の縮みが起こる場合があります。必ず、乾燥機の設定を低温にしてかけるようにしてください。
脱水中や乾燥機でダウンが爆発することがある
ダウンの表面の布は防寒性を高めるために風や水を通しにくい作りになっています。
ですが、ダウンを洗っていると水分がダウンの中の綿の中に浸透します。脱水をかけると高速回転の遠心力により水分を外に絞り出すことが出来ますがダウンの構造上、水分が出られない状態になることがあります。
遠心力により中の空気が圧縮されて爆発が起きる可能性があります。乾燥機で爆発というよりは、脱水時での爆発のリスクがあります。
そうならない為にも脱水や乾燥を機械で行う前にゆっくり押し出したり、タオルドライなどで余分な水分を取る事が大切です。
洗濯したダウンを上手に脱水する方法
ダウンをバスタオルを使って脱水
大き目のバスタオルの上にダウンを広げてバスタオルで挟むように優しく脱水します。バスタオルが水をたくさん含んだら、違うバスタオルを使い脱水を繰り返しましょう。
雑巾絞りはダウンが傷む原因になります。絶対にやってはいけません!
ダウンを洗濯機で脱水
洗濯機による脱水方法は注意が必要になります。長時間脱水してしまうと羽毛の偏りに繋がったり、シワや傷みの原因になったりしますので1分程度の脱水を3回ほどにわけてすることをおすすめします。
少し手間がかかりますが、1回の脱水ごとに一度ダウンを取り出し優しくほぐしてください。
ダウンの脱水時間の目安
バスタオルでの脱水も、洗濯機での脱水もダウンによって時間は異なってきます。
バスタオルでの脱水はかなりの時間が必要になってくると思います。ここでしっかりと脱水をしないと乾燥に時間がかかります。
洗濯機では1分ほどの脱水を3回ほどかけてください。1分かける度にダウンを取り出しほぐしてください。
洗濯したダウンを上手に乾燥させる方法
濡れて固まった羽毛をほぐすことが重要になってきます。そのまま乾かしてしまうと羽毛が全体に行きわたらず形が変わってしまいます。また、ダウン本来の保湿力も発揮しません。そこで、上手に乾燥させる方法をご紹介します。
- 脱水後は一度ダウンを広げ、羽毛を優しくほぐす。
- 乾燥機に入れ10分の乾燥を3~4回ほど繰り返す。
- ダウンは熱に弱いため、必ず低温で乾燥して下さい。
- ダウンの生地を傷めない為に裏返すと良い。
- 乾燥後は太めのハンガーに掛け風通しの良い場所で2~3日干す。
変な乾かし方をしてしまうと生乾き臭、劣化や型崩れになりますので正しい乾燥方法で乾かしましょう。
ダウンを乾燥機で乾かすのに何分時間かけるか?
ダウンを乾燥機でかけるのに、長い時間かければかけるほどいいというものではありません。10分乾燥を、様子を見ながら3~4回繰り返す程度でかまいません。
ダウンをドライヤーで乾かすのはアリか?
ダウンをドライヤーで乾かすのは可能ですが、温風を同じところにかけ続けるとダウンの生地が傷み破れに繋がる恐れがあります。ドライヤーを使う際は、冷風で根気強く乾かしましょう。
また、ダウンについているファーがぺちゃんこになってしまった時は、ドライヤーの風量が一番弱いモードで洋服専用ブラシを使いブラッシングすると、ファーのボリュームが戻ります。
ぺちゃんこのダウンを乾燥機で復活させる
ぺちゃんこのダウンを乾燥機で復活させることは可能です。
洗濯をしたダウンでも、洗濯をしていないダウンでも乾燥機に入れて低温乾燥をするとダウンの中綿に空気が入りふっくらとした仕上がりになります。
ぺちゃんこになったダウンは羽毛が絡みあったり、湿気を含んでしぼんでいる事が原因です。そのため、ボリュームを復活させるためには羽毛同士の絡まりの解消と湿気を飛ばすことによって解決します。
乾燥機でもぺちゃんこになったダウンが復活しない場合は、汚れが溜まっており羽毛同士がくっついてしまっている状態なので、水洗いが必要になります。
ドライクリーニングでは落ちない汚れなので、水洗いかウェットクリーニング可能なクリーニング業者に依頼しましょう。
ダウンを乾燥機でふわふわにさせるためにボールを使う
ダウンを乾燥機で乾かす場合、キレイなテニスボール2~3個を一緒に入れて回すだけで、ボールが回転しダウンを叩くことによってふわふわな仕上がりになります。
テニスボールがない場合は靴下を丸めボールのような形にして靴下ボールを作り使っても大丈夫です。
乾燥機は必ず低温でかけ、10分3回程度を様子を見ながらかけるようにしてください。
ダウンジャケットやダウンコートの乾かし方
ここでは、ダウンジャケットとダウンコートの乾燥機を使っての乾かし方をお教えします。
まずは、ダウンジャケットとダウンコートの違いですが簡単にいうと、丈が違います。ダウンジャケットは腰が隠れる長さ。ダウンコートはお尻が隠れる長さ。になっています。
乾燥機を使って乾燥する際は必ず、低温で乾かします。
ダウンは熱に弱い作りになっています。高温での乾燥は生地にダメージを与えてしまうことになるので低温で10分程度の乾燥3~4回を繰り返してください。
乾燥後はダウンに熱がこもっているので、太めのハンガーにかけ部屋干しで2~3日干すようにしてください。生乾き臭や、カビの心配も無くなります!
ダウンを乾燥機を使わずに乾かす方法
ダウンジャケットとダウンコートの乾かし方を一つ前で紹介したので乾燥機を使わずにジャケットとコートの乾かし方をご紹介します!
ダウンジャケットを乾燥機を使わず乾かす方法
ダウンジャケットの乾かし方太めのハンガーを用意します。(脱水後のダウンジャケットは重たいので重さに耐えれるハンガーを使います)ハンガーの幅とダウンジャケットの肩幅が合っているとよりいいです!
細いハンガーで肩幅が合っていないと、ダウンジャケットの重みで肩の型崩れが起きる可能性があるため極力避けましょう。
ハンガーに掛けたダウンジャケットは直射日光が当たらない風通しの良い場所で2~3日乾かしましょう。
ダウンコートを乾燥機を使わず乾かす方法
ダウンコートの乾かし方ダウンコートはダウンジャケットより長いため、重さもあります。
ですので、太めのハンガーに掛けても型崩れが起きてしまう可能性があります。ダウンコートの場合は、平干しすることをおすすめします。
強度がある平干しネットに型崩れが起きないように丁寧にかけ直射日光が当たらないところに置き、干しましょう。
濡れているダウンジャケットの中綿は絡まっている状態ですが>乾燥機を使わない場合、完全に乾いてから手でポンポンと軽く叩いてほぐしてあげましょう濡れている状態で頻繁にほぐしてしまうと、逆に中綿同士の絡まりがひどくなる場合があります。
完全に乾かさずに、直してしまうと生乾き臭やカビの原因になります。日にちがかかっても必ずちゃんと乾かしましょう。