ポリウレタンとはどんな素材
ポリウレタンは、ゴムのように伸びる性質を持つプラスチックの一種です。スポーツウェアや下着、アウターなどに使われ、体にフィットしやすく、動きやすさ重視のアイテムに使用されている傾向があります。ポリウレタン素材の特徴をまとめると下記3点がポイントです。
- 柔軟で軽く、クッション性や防水性に優れている
- 本革より安価で扱いやすいが、寿命が短く劣化を防ぐ工夫が必要
- ポリエステルやPVCよりも弾力性や伸縮性がありゴムより軽い
ポリウレタンと他素材の比較
衣類やアイテムに使われている他素材と比べるとどのような点が変わるのでしょうか?
他素材と8つの項目について比較すると以下の違いがあります。
素材 | ポリウレタン(PU) | 天然皮革(本革) | ポリエステル | PVC(塩化ビニル) | ゴム |
柔軟性 | 高い(馴染む) | 高い(使うほど馴染む) | 低い(やや硬め) | 低い(硬くなりやすい) | 高い |
耐久性 | 摩耗に強いが劣化しやすい | 長持ちするがメンテナンスが必要 | 非常に高い | 高い(硬化しやすい) | 非常に高い |
防水性 | あり | なし | あり | あり | なし |
通気性 | なし | 高い | 低い | なし | 低い |
軽さ | 軽い | やや重い | 非常に軽い | 重め | やや重い |
価格 | ピンキリ(PUレザーは安価) | 高価(本革製品) | 安価 | 安価 | 高価 |
劣化しやすさ | 加水分解・黄変しやすい | 乾燥やカビに注意 | 劣化しにくい | 硬化・割れやすい | 劣化しにくい |
ポリウレタンが使われている製品代表例
ポリウレタンは、その多機能性により、私たちの生活のさまざまな場面で使用されています。この素材の特性を活かして作られた製品は、日常生活における快適さや利便性を向上させています。以下に、具体的な製品例を挙げていきます。
靴
軽量でクッション性に優れたポリウレタンは、靴底やインソールに使用されることが多いです。防水性があるため、アウトドアやスポーツシューズにも適しています。
スポーツ用品・スポーツウェア
スポーツウェアの伸縮性を高めるためにポリウレタン繊維が使われています。ヨガマットやプロテクターにも活用され、快適な運動をサポートします。
下着
ポリウレタンは、ストレッチ性が求められる下着に不可欠です。フィット感を高め、着心地の向上に貢献します。
ポリウレタンの劣化予兆!?気づくべきサイン
ポリウレタン製品は使用や保管環境により劣化が進むことがあります。早期に劣化の兆候を把握することで、適切な対策をとることができます。

伸縮性がなくなる時
ポリウレタン製品は、長期間使用したり繰り返し洗濯したりすることで、元の柔軟性が失われることがあります。特に、ストレッチ素材の衣類やスポーツウェアでは、伸縮性の低下が着心地に影響を与えます。高温での乾燥や摩擦によるダメージも、劣化を早める要因になり得るため、適切な洗濯方法を守り、強い摩擦を避けることで、素材の伸縮性を維持しやすくなります。
表面のひび割れ
紫外線や湿度の影響により、ポリウレタンの表面にひび割れが発生することがあります。直射日光に長時間さらされたり、高湿度の環境で保管されると劣化が進みやすくなるため注意が必要。表面の乾燥を防ぐため、専用の保護スプレーを使用したり、適切な湿度管理を行うことが重要です。また、定期的に製品の状態をチェックし、ひび割れの兆候が見られたら早めのケアを施すことで、長持ちさせることができます。
べたつきや硬化が発生
ポリウレタンは、高温や湿気の影響で化学的な変化を起こし、表面がべたついたり硬くなったりすることがあります。特に梅雨や夏場の高湿度環境では、べたつきが目立ちやすくなるのでお手入れ注意が必要です。一方で、寒冷地では硬化が進み、素材の柔軟性が失われることもあります。これを防ぐためには、温度変化の少ない場所に保管し、湿気をコントロールすることが重要です。防湿剤を活用し、風通しの良い環境を整えることで、快適な状態を維持できます。
色の変化
ポリウレタン製品は、時間の経過とともに黄ばみや色あせが発生することがあります。紫外線を長時間浴びると、化学変化によって色が変わることがあり、明るい色の製品では顕著に見られます。また、高温や湿度の影響で色がくすむこともあります。日常から、直射日光を避けた場所で保管し、紫外線カットのカバーを使用するのが効果的です。定期的に製品の状態を確認し、適切なメンテナンスを行うことで、美しい状態を長く保つことができます。
ポリウレタンを劣化させる弱点
ポリウレタン製品が劣化する原因は多岐にわたりますが、特性や使用環境によって劣化のスピードや影響の度合いが異なります。ポリウレタン素材の弱点を知り日常のお手入れの参考にしましょう。
経年劣化
ポリウレタンは時間の経過とともに分子構造が変化し、柔軟性や耐久性が低下します。特に、頻繁に使用する衣類や靴では、摩耗が進みやすくなります。劣化を防ぐには、直射日光や高温多湿を避け、適切な保管環境を整えることが大切です。
紫外線
紫外線はポリウレタンを劣化させる大きな要因の一つです。長時間日光にさらされると、素材が黄ばみ、ひび割れを起こす可能性があります。日頃から直射日光を避けた収納を心がけ、紫外線防止スプレーを活用すると良いでしょう。
湿気と温度変化
湿気や温度の急変はポリウレタンの品質を低下させます。湿度が高い場所ではべたつきが生じやすく、乾燥しすぎると硬化してしまいます。通気性の良い環境で保管し、除湿剤や換気を活用して安定した状態を維持することが重要です。
汗や皮脂
汗や皮脂が染み込むことでポリウレタンの劣化が進みやすくなります。運動時に使用する衣類や靴では、皮脂や汗が蓄積し、素材の弾力性が失われやすいので注意が必要です。使用後はしっかり乾燥させ、定期的に優しく洗浄することで、劣化を抑えることができます。
ポリウレタン素材の劣化後に回復させることは可能か?
ポリウレタン製品は劣化すると伸縮性が失われたり、ひび割れやべたつきが発生したりすることがありますが、適切なケアや専門的なクリーニングで一定の回復が可能です。
クリーニング店でできること
ポリウレタンが劣化した場合、クリーニング店では専用の洗浄方法を用いて汚れや皮脂を取り除き、素材の柔軟性を保つお手伝いができます。特に、防水コーティングが施されている衣類では、専門的な処理によって撥水効果を回復させることが可能です。また、特殊な柔軟処理を施すことで、軽度の硬化やべたつきを軽減することもできます。
ただし、ひび割れや極端な硬化が進行した場合は、完全な回復は難しい場合があるため、早めのケアが重要です。定期的なクリーニングを行い、適切な保管環境を整えることで、劣化を遅らせ、衣類を長持ちさせることができます。
ポリウレタン衣服を長持ちさせる方法
ポリウレタン製品は、その特性上、適切なケアを施すことで寿命を大幅に延ばすことができます。日常のケアや長期保管時の注意点を守ることで、製品の美観や機能性を長期間維持することが可能です。このセクションでは、具体的な方法について詳しく解説します。
日々のケアで出来ること
ポリウレタン衣類を長持ちさせるためには、日々のケアが重要です。使用後は、湿気を取り除くために風通しの良い場所で陰干しし、直射日光を避けることで劣化を防ぎます。汚れた場合は、ゴシゴシ洗うのではなく、中性洗剤を使い、ぬるま湯で優しく手洗いすると生地を傷めずに済みます。洗濯機を使用する際は、デリケートモードやネットを活用し、できるだけ低温で洗濯しましょう。乾燥機は避け、自然乾燥を基本とすることで、劣化を防ぎつつ清潔に保つことができます。
長期管理時に気を付けるポイント
長期間ポリウレタン製品を保管する際は、湿気や温度変化を避けることが大切です。防湿剤を活用し、直射日光が当たらない通気性の良い環境を確保しましょう。特に梅雨や夏場は、湿度の上昇により素材がべたつきやすくなるため、定期的に換気を行いましょう。また、ポリウレタンは長時間折りたたんでいるとクセがつきやすいため、型崩れを防ぐためにハンガーにかけて保管するのがおすすめです。年に一度は状態を確認し、異変がないかチェックすることで、より長く愛用することが可能になります。
まとめ:ポリウレタン衣服を守るために今日から始めるケア
ポリウレタン製品を長持ちさせるためには、日々のケアと正しい保管方法が欠かせません。改めてまとめるとポリウレタン素材の弱点は下記3点です。
- 紫外線
- 湿気と温度変化
- 汗や皮脂
経年劣化を遅らせるためには、日常から湿気を取り除き、紫外線や高温を避けることで、製品の柔軟性と快適性を維持することができます。今日から実践できる簡単なケアを習慣にすることで、お気に入りのポリウレタン製品を美しく保ち、快適な使用感を維持し続けましょう。劣化してしまっても専門クリーニングにもっていくことで回復できるものもあるので、是非ご相談ください!
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