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衣類ケアと洗濯

カナダグースが白くなる白化の原因とクリーニングが必須な理由

カナダグース 白化①

流行中のカナダグースですがメンテナンスの方法に注意が必要で、間違った取り扱いをすることで白化などのトラブルにもつながります。そのため、カナダグースはクリーニングが必須です。今回は、カナダグースのクリーニングの内容や白化についてクリーニングのプロがお話します。

カナダグースは必ずクリーニング!

はやりのカナダグースのダウンですが、様々な要因で自宅で洗うことはかなり難しいアイテムの一つとなります。その理由を解説します。

カナダグース 白化 ロゴ

自宅では洗濯できない理由

元々カナダグースのダウンは、極寒地使用となっており、中綿のダウンが通常のダウンより多く厚く充填されているのが特徴です。

ダウンの量が多いと暖かさを保つことが出来るのですが、自宅での洗濯ではしっかりと汚れを落とすことが難しいです。汚れ残りがあれば時間が経つとともに表面に浮き出してきたり、黄ばみやカビの原因となることもあります。さらに乾燥させるのもダウン量が多いと自宅では完全に乾燥させるのにとても時間がかかってしまいます。乾燥不足もカビや臭いの原因になります。

そのため、ボリュームの多いカナダグースのようなダウンは、自宅での洗濯に向いていないアイテムと言われています。

洗い方を間違えてしまうと、生地の劣化をまねいてしまい破損の原因になってしまったり、変色やボリュームダウンなどの原因となります。

長く着用することを考えると、必ずクリーニングに出していただくことをお勧めいたします。

カナダグースに起きやすい白化とは?

カナダグース 白化②

カナダグースで使用されている表の生地は、ポリエステルと綿の混合生地となります。ポリエステルやナイロンのみの生地よりもしっかりと張りがあり強度の強い生地です。

ですが、摩擦による生地の風合いの変化が大きいのが注意すべき点となります。

着用していくと袖回りや脇、ポケットまわりなどが色っぽくけば立ったような状態になることがあります。

この毛羽立ちにより黒やネイビーは、白く変色したように感じられることがあります。

それが『白化』という現象です。

カナダグースが白化してしまう原因は?

カナダグースのダウンに見られる白化と呼ばれる現象が起きる原因は、生地を染める際、通常は糸の状態または、生地を繊維の奥までつけ込み染めることが多いのですが、カナダグースは白い生地の表面にそれぞれの色を加工しているため、本来の白い色が摩擦で出てきてしまうことがある様です。

この白化は、クリーニングが原因ではおこることはありません。基本的に着用による摩擦が一番の原因です。

摩擦により生地に負担がかかった状態にある場合、ほんの少しの負荷がかかっただけでも白化してしまう可能性があります。クリーニングを行ったことで白化したのではなく、白化していたが見えておらず、クリーニングに出したことで見えるようになったと考えられます。

よくクリーニングで白化したと思われている方がいらっしゃいますが、思い違いの場合があります。

カナダグースの白化を防ぐためには

必ずしも白化を起こさない方法は、着用する限りはありません。ですが、白化を遅らせることは可能です。

シーズンオフの保管方法が大きなポイントになります。正しく衣替え(長期保管)を行うことで生地の劣化を遅らせて、白化を予防することにつなげることが出来ます。

正しい保管方法

公式サイトでも保管方法については記載がございます。

  • できる限りキレイな状態で収納します。ほこり・汗・皮脂などは徐々に生地を劣化させる原因となります。
  • ファーは取り外せるものは取り外し、型崩れが起きないようにゆとりのあるスペースで縦に吊り保管しましょう。
  • ジャケットは、幅の広いハンガーにゆったりとかけます。湿気のない冷暗所で保管するのが最適です。
  • ほこりや汚れから守るため、通気性の良い衣類カバーをかけます。
  • ジャケットが狭いスペースで押しつぶされないようにしてください。

カナダグースの日々のお手入れ

カナダグースは、摩擦に弱いということを頭の片隅に置いておきましょう。

そのうえで、日々のお手入れとしては、他のダウンアイテム同様に着用後は、『ブラッシング』を行い、埃や汚れを落とすようにします。

そして、冬場は汗などかいていないように思われるかと思いますが、アウターの中には汗が湿気としてこもってしまっている状態になります。着用後は、すぐにクローゼットに仕舞ってしまわずに日陰で風通しの良い場所に吊って乾燥させてから、仕舞うようにしてください。

乾燥させてから仕舞わないと、生地を傷める原因となり、カビや変色などの原因にもなりますので注意してください。

目立つ汚れが付着した場合は、強くこすって摩擦を起こしてしまわないように気を付けて、優しくふき取るようにしてください。

落としきれない場合は、早めにクリーニングへ出していただくことをお勧めしています。

お気に入りのダウンを長く着用していただくためにもそれぞれのアイテムに合ったメンテナンスを行いましょう。

カナダグースの白化は直せる?

カナダグース 白化

カナダグースの白化は、直すことが可能です。

白化は一見、白く汚れてしまっているように感じられることが多く、「汚れてしまったので洗ってください。」という要望が多いのですが、ただ、クリーニングを行うだけでは直すことが出来ません。

色修正(色補正)を行うことで、色を復元することが可能です。

カナダグースの白化への色修正は、摩擦によって生地の白い部分が見えてきてしまっている状態のため、白化した部分とその周辺を中心に白化していない部分と色を合わせていく作業になります。エアーブラシで広範囲に色を乗せながら、細部は筆などで色を合わせていきます。

白化は、全体に怒ってしまっていることが多く、目立つ部分だけに色修正を行うだけでは、修正部分だけ色が濃く感じられてしまうことがあります。そのため、白く目立つ部分を中心に全体的に色修正を行う必要があります。

カナダグースを出すクリーニング店の選び方

カナダグースは、必ずクリーニングへ!では、どのようなクリニング店を選んで依頼するのがよいのか。クリーニング店の選び方は大切です。

ダウン前洗い手洗いダウンアイキャッチ

ウェットクリーニングが得意なお店

カナダグースやモンクレール等の高級ダウンは、水洗いが必須です。ダウンアイテムにドライクリーニングを行ってしまうとダウンのボリュームダウンの原因となり、せっかくの暖かさや風合いを損なってしまう可能性があります。

クリーニングには、ドライクリーニングとウェットクリーニング等洗い方がありますが、ホームクリーニングのほどんどがドライクリーニングを行っています。

ウェットクリーニングは、生地や状態によって洗い方、使用溶剤などの見極めが必要な特殊なクリーニング方法となります。そのため、ウェットクリーニングが得意なクリーニング店はしっかりとした技術がある証拠です。

カナダグース等、高級ダウンをクリーニングに出す際は、ウェットクリーニングが得意なお店でウェットクリーニングを行うことをお勧めしております。

料金相場とクリーニング頻度

通常のダウンコートクリーニング料金は、3000円前後が相場となっております。

カナダグースのクリーニング料金は、1万円前後が相場で、お住いの地域、付属品やアイテムの状態などによって価格は異なりますので、各店舗へお問い合わせいただくことをお勧めしております。

繊細な生地とダウン量の多い、高級ブランドのダウンは他のダウンクリーニングとは洗い方も仕上げの方法も異なるため相場価格が通常クリーニングより少し高額となっています。

クリーニングにしては高額に感じられるかと思われますが、年に一度はしっかりと汚れを落とすことで長く着用していただけるようになります。

 

キレイナのカナダグースクリーニング事例

キレイナでは、年間5000着ほどのダウンクリーニングを行わせていただいています。カナダグースのクリーニングもたくさん対応させていただいておりますので、その事例をいくつかあげさせていただきます。

クリーニングのみの場合(ジャケット黒ずみ)

Before

カナダグース 黒ずみ B全体 カナダグース 黒ずみ B左そで

こちらのご依頼は、全体的に黒ずみがひどく、クリーニングに出したもののあまりきれいにならずに戻ってきてしまったということで、キレイナへご相談いただきました。

脇やポケット周りなどが特に黒ずみがひどい状態でした。

通常クリーニングでは、ドライクリーニングのみを行った可能性があります。

黒ずみ等の汚れは、ドライクリーニングでは落とすことが出来ないことが多いのです。

After

カナダグース 黒ずみ A全体 カナダグース 黒ずみ A左そで

キレイナでは、『ウェットクリーニング』で全体的に汚れを落とし、シミや汚れが気になる部分へは、部分的なシミ処理等特殊処理を行います。

中綿の汚れまでしっかり落とすことにより、ダウンのボリュームがアップし、保温力も向上します。

脇やポケットまわりもすっきりキレイになって、ワントーン色が明るくなったように感じられますね。

仕上に汚れ防止にもなる撥水加工を追加でご依頼いただきました。

納期と料金について

納期

見積承認後2~3週間程度

料金
  • ダウンコート(ミドル着丈60~90㎝):11000円(税込)
  • 特殊処理(襟袖まわりシミ処理):6600円(税込)
  • 撥水加工:2200円(税込)

合計:19800円(税込)

クリーニングのみの場合(ジャケット黒ずみ)

Before

カナダグース シミ B全体 カナダグース シミ B身頃 カナダグース シミ Bポケット

こちらのご依頼は、身頃やポケット周りに液体によるシミが出来てしまっており、さらに黒ずみもひどい状態になってしまっているので、キレイにしてほしいというご依頼でした。

液体によるシミも黒ずみも『ウェットクリーニング』を行うことで、キレイにすることが可能です。

After

カナダグース シミ A前身ごろ カナダグース シミ Aポケット

先ほどの事例と同様にまずは、『ウェットクリーニング』で全体的に汚れを落とし、シミや汚れが気になる部分へは、部分的なシミ処理等特殊処理を行います。

中綿の汚れまでしっかり落とすことにより、ダウンのボリュームがアップし、保温力も向上します。

仕上に汚れ防止にもなる撥水加工を追加でご依頼いただきました。

納期と料金について

納期

見積承認後2~3週間程度

料金
  • ダウンコート(ミドル着丈60~90㎝):11000円(税込)
  • 特殊処理(全体シミ処理):5500円(税込)~
  • 撥水加工:2200円(税込)

合計:18700円(税込)

白化修復(色掛け)

Before

カナダグース白化 B全体 カナダグース白化 B後

脇や縫い目部分、ウエストループ等、擦れが起きやすい部分を中心に白化がおこっている状態です。

After

カナダグース白化 A後

白化部分だけでなく、全体に色をなじませるように色修正を行っています。部分的に修正することも可能ですが、修正部分が目立ってしまう可能性が高いため、全体修正をお勧めさせております。

全体修正することにより、長く着用していただけるようになります。

納期と料金について

納期

見積承認後、8~10週間程度

料金

  • ダウンコート(ミドル着丈60~90㎝):11000円(税込)
  • 特殊処理(シミ処理):3300円(税込)
  • 色修正(カナダグース黒・ネイビー全体):13200円(税込)
  • 撥水加工:2200円(税込)

合計:29700円(税込)~

まとめ

カナダグースの白化は、着用するとどうしても起こってしまう現象で仕方ないものではあります。

ですが、日々のお手入れとシーズン毎のメンテナンス(クリーニング)で生地の劣化を遅らせることで、白化を予防しましょう。

メンテナンスのクリーニングもしっかりと水洗い『ウェットクリーニング』が得意なクリーニング店を選ぶことが大切です。

もし白化が目立つようになった場合は、特殊処理が可能なクリーニング店で色修正補修を行うことが出来ることも参考にしてください。

キレイナでもたくさんのカナダグースクリーニングを取り扱っております。

カナダグースのウェットクリーニング例|キレイナマガジン (kileina.jp)

 

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